動理念



寶船の阿波踊り

寶船の阿波踊りは、「踊り出したら、命懸け」が合い言葉。手加減一切なしの、熱く、激しい踊りが売り物です。それは、人が「阿波踊り」と聞いて想像する枠を遙かに超え、「もはや阿波踊りではない」とまで評されてきました。寶船のこのような踊りは、時に阿波踊りという伝統を壊そうとしているようにも見えるかもしれません。

確かに、寶船は阿波踊りについての形式的な縛り、固定観念にはとことん挑戦してきました。そしてこれからもその挑戦は続きます。

しかし、それは、寶船が阿波踊りの真髄を形式ではなく心のあり方の中に突き詰めようとしているからです。発祥以来阿波踊りの核にあった反骨精神、生命力、楽しみ・楽しませる心、自分を限界まで追い込んで新しい展開を切り開くこと、それこそが守るべき阿波踊りの真髄であり、踊りの作法はその時代時代のなかでその時を生きる人々が「阿波踊りの心」を形にするためにそれぞれ練り上げるもの。我々は阿波踊りをそう考えます。寶船の熱い踊りは、先人から受け継ぐべき「阿波踊りの心」に今の時代の中での形を与えようとする必死の模索なのです。


寶船が考える『踊り』

「踊り」と「単なる体の動き」の違いはなんでしょうか。ある規則に従った手足の動き、でしょうか。確かに、バレエが「バレエ」に、阿波踊りが「阿波踊り」に見えるのには、その基盤にある体の動かし方、スタイルが大きく関係しています。

しかし、手や足の形や動きが「阿波踊りの作法」に従っていれば阿波踊りになるのでしょうか。寶船は、踊りをつくるのは体の動きの形・作法ではなく、「心の動き」だと考えています。心の底からの震え、動きに全身を共振させる、それが「踊り」なのです。ですから、踊りは身体を動かすことだけではありません。心の底の震えに声を合わせて歌うことも「踊り」です。心の震えに「頭」を共振させて悩むこと、体いっぱいにその感動を感じ涙すること、これも「踊り」なのです。

さあ、時間のリズムの中で、ワクワクしたりドキドキしたり落ち込んだり笑ったり、心の震えに体を合わせてあなただけの踊りを踊りましょう。それはきっと、あなたの中にも、周りの人にも、新たな心の動きをつくり出してくれるでしょう。寶船はそんな「踊り」をつくる場なのです。




上の絵は、寶船結成当初、連長・米澤曜が未来の寶船として描いたものです。
きれいな隊列で並び、みんな同じ踊りをして進む阿波踊りが主流の中で、寶船は当初から人間の面白さにこだわった、百人いれば百通りの踊りを目指してきました。
この絵からは、結成から変わらない「心の赴くままに踊り、動きも様々。しかし、その強烈な個性達がひとつの船に乗ることが寶船であるのだ」という強いビジョンが感じられます。