「共感」は「共通見解」ではない
「共感」についてひとつの違和感を持っています。現在若者たちの中で「共感」が、「あ〜わかるわかる」になり「あるあるネタ」になり、最終的に「当たり前のこと」になっているという点です。
共感は、他者とつながることのできる素晴らしい感情。しかし、「あなたが好きだから離れたくない」や「悲しくて涙が出た」のような当たり前のことに共感は起こりません。1+1=2のような「こうなったら、こうなる」という論理には共感しずらいのです。なぜか。
共感は、気がついていない視点で物事を切り取り、相手が「確かにそうだね!」と感じる新鮮な感情。「当たり前」ではなく「発見」に近いのです。
つまり「共感」は「共通見解」ではない。そこにいつもあるんだけど、誰も言語化していなかったものを表現し、「そうだ!!その通り!!」という驚きが共感の大きなパワーだと感じています。
例えば、
「満月は丸くて黄色いね!」
と言っても、共感は生まれない。
「満月の模様は、うさぎが餅つきしてるように見えるね」
と言うと「あ!たしかにそうかも!」と共感が広まるわけです。
SNSなどで個人がメディアになる時代。多様化の中で、自分の存在を確立するには独自の視点で物事を考え、それを言語化する(表現する)力が必要です。
人を人たらしめるのは、感動と共感。先日のスーパームーンを見ながら、そんな「共感」について改めて考えました
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