就活中の学生や新卒の社会人、伸び悩むアーティストやクリエイター志望の友人から、将来についての相談を受けるようになりました。
そんな皆さんへの話を聞き共通点を感じ、いつも伝えるメッセージをここにまとめてみます。
共通点は、みんなとてもいい子で、一見、適応力も高そうに見えること。社交性があり、友だちも多そう。だけど、社会の中で何をすればいいのかわからない。「本当の私ってなに?」「そもそも、私の幸せってなに?」みたいなことで悩んでる人が多いです。
つまるところ、「いい人に見られたい」と思っているのです。
裏返せば、自分を否定されることにめっぽう弱い。すぐ情熱が萎える。ポテンシャルはあるのに軸を持たず、安易な美談で周りの賛同を集めたがる人がめっちゃ多いのです。
感謝とか、愛とか、親孝行とか。
この手の正しさは、誰からも批判されない「良きこと」である反面、嫌われないための防御でもある気がしてなりません。怖がっている人ほど、社会的な良きことで肯定される土台をつくろうとします。
孤独に向き合った経験が強さになる
私の10代後半から20代前半は、世の中に自分のことを理解してくれる人なんていないと思ってました。賛同者を集めようとか、周りから評価されたいとか、1ミリも思わなかったです。
褒められたらむしろ、「お前に評価されたくないから」とすら感じてました。
「飲み会で愚痴ばっか言ってる大人を、俺は全否定してやる」とか思ってました。自分は何も成し遂げてないくせに、最悪なへそ曲がりですよね。
学校に行けば、学校の先生や同級生に闘争心を燃やし、バイトをすればバイト先の人を反面教師にし、バンドをやれば「周りのバンドマンは全員つまんねー」と思ってたのです。
表面ではそれを顔には出さず、内心「でっかいことをやりたい」とモヤモヤしているタイプでした。
今思えば、正しく世の中を見ていないし、間違いだらけの青春です。何も成し遂げてないくせに、みなぎる熱量だけはある。ダメな若者の代表かもしれません。
でも、思うのです。
一度でも「自分の理解者なんていない」と孤独に向き合った経験がある人と、チープな正論で周りに賛同者をほしがる人間では、自分の足で立った時の覚悟が違うなと。
若者の最大の価値は、「世の中を知らないこと」
若者の最大の価値は、「世の中を知らないこと」なんです。
若さ故の無鉄砲さ、向こう見ずさ、常識のないくせに生意気さは、イノベーションを起こす大きな大きな力になります。
だから、「賛同者なんていらない!承認も賛辞もいらない!俺は誰もやってないことをやるんだ!」というエネルギーは、めちゃくちゃ大事なのです。
誤解しないでほしいですが、傲慢になれと言ってるわけでも、自己中心的になれと言ってるわけでもありません。「嫌な奴になれ」と言ってる訳ではないんです。
社会で、もがき、あがいてほしいのです。
寶船が最初にライブハウスでワンマンをやろうとしたとき、メンバーから想像を絶する非難を浴びました。
法人化しようと兄弟三人で決めメンバーに伝えたときも、20〜30人いたメンバーの中で可能性を信じてくれたのは、米澤家の萌、陸以外には、樫本くんと鎌田くんだけ。
何を目指してるか意味不明と、裏ですごく叩かれました。
「寶船は周りの意見を聞かない」と毎日のように言われたし(今も言われてます)、「阿波踊りがお金になるわけない」「無理」とめっちゃ叩くメンバーが、少しでも利益が出たら「お金をくれない」と言っていました。
お金のことなんて、まだいいです。
同業者の阿波踊り関係者からも陰で色々と言われました。
あんなの阿波踊りじゃない、文化の破壊だ、20人しかいない弱小の連が大きな顔をするななど、批判や妬みが今でもたくさんあります。
一番悲しいことは、信頼してたメンバーが離れていくことでした。
仕事がどうかとか、寶船のことをどう思うかとか、この際どうでもいい。寶船なんて大っ嫌いだけど、俺は一度決めたからこれからもやるわ、でもいい。ただただ、「一緒に新しい世界を見に行きたい」と一瞬でも思えたお前が寶船にいてほしい。
そんな想いでやるせなくて、仲間が離れていくとき、心がちぎれる気持ちでした。
でも(今振り返ればですが)、それが私たちの力になりました。
正解は未来がジャッジするなら、結果を出すしかない。
離れていった仲間たちが一瞬でも「俺(私)は昔、寶船にいたんだぜ」と、飲み会の話題で私たちを思い出してくれて、少しでも胸を張ってくれたらなぁ。
その小さな妄想が前に進むモチベーションになりました。
悔しくて、辞める理由なんていくらでもある毎日でした。でも、反抗期をこじらしたような若者の情熱の炎は、いつもギリギリのところで消え去るのを堪えていました。
世界を変えることがしたい、世界を見に行きたい、生きることに全力でいたい、無謀でありたい。
寶船には『踊り出したら命懸け』という超大切なバリューがありますが、まさにそれです。
嫌われないように生きる若者たちへ
もし、これを読んでる10代後半から20代前半の若者がいたら、
「感謝は、立ち止まり振り返ったときに初めて血肉化するものだ。とにかく今は立ち止まらず闇雲に熱狂して生きろ」
「愛は、自分の人生を最後に守れる炎だ。まずは野獣として牙を剥き、もがけ」
と言いたいです。
批判や反対意見は必ずあります。あなたの人生を、他者の経験というフィルターに通して判断するからです。でも、だからって賛同されようと周りにフォーカスを当てなくていい。無謀な高みを目指してほしいです。
なぜなら、【命を燃やしているその姿こそが、大人たちへの最大の感謝であり愛であり、親孝行だから】です。
「誰もが賛同する薄っぺらな正論」よりも、覚悟を持って獲得した「人生を狂わす邪論」の方が、汗と涙をキラキラと輝かすと思ってます。
つらいけど、楽しいよ。
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