どうもこんばんは。金髪の異端児、たかしです。今回は阿波踊りを、宮城県の海岸で踊ってきました。
宮城県の閖上というところで行われた『海贈(かいそう)』というイベントに呼んでいただきました。この企画は東日本大震災から10年という節目に、「芸能の力で何か出来ることはないか」という想いで、僕らの盟友・渋谷のあっくんと閖上の方々で立ち上げたイベントです。
震災からちょうど10年目にあたる2021年の3月。僕たちは色んな想いを胸に、被災地である閖上で踊ってきました。今回のイベントは、普段寶船が出演するお祭りやフェスとは、意味合いが違います。普段は、目の前にいる多くのお客さんをいかに楽しませるかに集中するわけですが、今回は違います。震災で被災された方々の鎮魂の気持ちが反映されています。そういった背景のイベントで、寶船はどういったパフォーマンスをしたのでしょうか。今日はその辺りに注目して下さい。
今回のイベントでは、阿波踊りのいつもと違った側面が見えてきました。僕らはなぜ阿波踊りを踊るのか。その答えは、決してひとつではありません。様々な動機があるんだってことを、今回学びました。
元々阿波踊りというお祭りは、歴史的に色んな捉え方をされてきました。戦争を受けての鎮魂の気持ち。亡くなったご先祖様への弔いの気持ち。そういった意味合いでも阿波踊りは踊られてきました。なので今回のように、亡くなられた方々へ想いを寄せるという意味合いでも、阿波踊りは適している芸能なんです。
僕の中でも、今回のイベントに出演するにあたって、色々考えさせられるところもありました。こんな僕みたいな薄っぺらな人間が、果たして被災された方々のために踊る資格はあるのか。ただでさえ心から楽しめない今年の状況で、お祭りで盛り上げる意味とは何なのか。何十回も何百回も自問自答しました。メンバーとも何時間も話しました。
そんな葛藤の中で迎えた、『海贈』というイベント。現地の閖上に行ってみて、僕の気持ちは吹っ切れました。
「いつも通り、思いっきりやろう」
閖上の海岸で、まっすぐ水平線を見つめた瞬間、そう素直に思えた自分がいました。僕みたいなちっぽけな人間に、人の痛みを和らげる力があるか。それはわかりません。ただ、いつものように全力で、我武者羅に踊ることで、きっと何かを感じてくれる人がいる。それは決して無駄なことじゃない。たった1ミリだとしても、何かが変わるかもしれない。だとしたら、その“1ミリ”に僕らの情熱を懸けてみたくなりました。
あれから10年。閖上の海にも、色んな想いが染み込んでいます。その上で、僕らは今回のイベントを通して、未来をつくることが出来ました。とにかく僕らは“明日”に向かわなければいけない。たとえそれがどんな明日だとしても、僕らには明日を生きる義務がある。そう思えた閖上の時間でした。
そんな大切な時間をくれた、渋谷のあっくん、そしてこのイベントの発起人であるゆっきーさんに、改めて感謝の気持ちを付け加えさせていただきます。
(たかし)
※このイベントはコロナ対策を万全にした上で行われました。
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