どうもこんばんは。金髪の異端児、たかしです。
今回は阿波踊りを、九十九里浜の温泉で踊ってきました!
千葉県の九十九里浜には『太陽の里』というスパ&リゾート施設があります。ここでは九十九里の潮風を感じなから、開放感あふれる露天風呂で心身ともに癒しのひとときを堪能できます。一度行ったら、やみつきになること間違いなしの施設です。
僕たち寶船は、そんな『太陽の里』で過去に何回か公演させていただいたことがありました。今日はまだ僕らがプロになりたての頃の、初々しい姿をご覧いただきます。本当なら癒しの場であるはずの温泉施設で、癒しとは真逆のベクトルの寶船のパフォーマンス。果たして僕らのステージは、お客さまに満足いただけたのでしょうか?
『太陽の里』は、駆け出しの頃の僕らが修業させていただいた場所の1つです。寶船が法人化して“プロ”と名乗り始めた頃、僕たちには全くと言っていいほど依頼されるお仕事はありませんでした。
当時は、ほとんどお金にはならない路上パフォーマンスや、地方のショッピングモールのイベントなどでスケジュールを強引に埋め、「僕たちは忙しいんだ」と自分たちを洗脳していました。
とにかく1つでも多くのお仕事をかき集めました。「人から求められている」という承認欲求が満たされない限り、僕らの選んだ道は失敗だったと認めてしまうような気がしました。だから、交通費がギャラを上回ってしまうようなイベントにも、「呼んでいただけるだけで嬉しいです」と一言添えて何処へでも飛んで行きました。
「呼んでいただけるだけで嬉しいです」
この言葉は、当時の僕たちにとって嘘でも営業トークでもなんでもなく、本心そのものでした。
そんな時に、僕らにチャンスを与えていただいたのが『太陽の里』の皆様でした。まだまだ若手で、どこの馬の骨かもわからないような僕らにチャンスを与えてくれるなんて、なんという懐の大きな方々なんだろうと感動しました。
「こんなチャンスは2回は来ない」と思った当時の僕らは、全身全霊でステージに挑みました。当時の僕らのパフォーマンスは、とにかくエネルギー一辺倒の、はっきり言って、やかましいものだったと思います。少なくとも温泉施設で、湯上がりの癒しの空間で見たいパフォーマンスでは絶対になかったことは間違いありません。
それでも僕らは、何かを掴みたくて必死に踊りました。正直、今振り返ってもトラウマ級のステージでの失敗もあります。そして、共演させていただいた大衆演劇の方々に、完全に持っていかれたことの悔しさ。それらの経験が全て、僕らの血となり肉となりました。本当にアーティストとして沢山の勉強をさせていただきました。
人が成長する瞬間って、実は“勝った”時じゃないと思います。全身全霊でフルスイングしたのに、空振りした時。立ち上がれないような大負けをした時。そんな時に初めて人は、自分の人生と真っ正面から向き合えるんです。
その意味では『太陽の里』は、僕らの“現実”を見せてくれた場所でした。そして「もっと強くなりたい」って本気で思えた場所でした。その悔しさを抱きながら浸かった温泉を、僕は一生忘れることはありません。
熱すぎず、ぬるすぎず。冷たく固まった僕らの心を、あの温泉が優しく温めてくれました。そして露天風呂から見える夕焼けを眺めながら、「いつか絶対にBIGになってみせる」と誓ったのでした。
そんな沢山の思い出の詰まった『太陽の里』。また久しぶりに行って、ゆっくりと温泉に浸かりたいです。きっとあの時とは違う味わいがあることでしょう。
(たかし)
※このイベントはコロナ禍以前に行われました。