どうもこんばんは。金髪の異端児、たかしです。
今回は、寶船の太鼓の演奏を観ていただきます。
当然僕たちは、阿波踊りのチームなので、普段の動画では踊りをメインに紹介していますが、今日は「阿波踊りの太鼓」にスポットを当ててみようと思います。
一口に「和楽器」と言っても、一般的な和太鼓チームの演奏と阿波踊りの太鼓の演奏では、全く雰囲気が違います。
中でも寶船の太鼓は独特で、他では聴けない個性的なリズムが評判です。はたして寶船の太鼓演奏には、どういうルーツがあるのでしょうか?僕らがどんなアーティストから影響を受けて、演目が作られてきたのか。今日はその全貌が明らかになります。
エンタメの面白さは、どんな演目にも必ずルーツがあるということです。その文脈を知ることで、より楽曲への興味が広がりどんどん面白くなっていきます。
特に寶船の場合、ジャンルを越えて様々な場所から影響を受けているところが面白いです。メンバーが元々ミュージシャンだったり、演劇業界の人間だったりすることもあり、阿波踊りの演目に取り入れる幅がとても広いのが特徴的です。
例えば、今日の動画で紹介している演目の中の「太鼓のバチで床を叩く」という演出は、日本の有名なコミックバンド「ハナ肇とクレージーキャッツ」から影響を受けています。
クレイジーキャッツのステージは、言わば日本のエンターテイメントの基礎教養です。現代の日本の芸能界の様々なルーツを探ると、クレイジーキャッツに行き着くことが多いです。僕らもクレイジーキャッツのライブ映像を沢山見て、阿波踊りと上手く融合させる方法を研究してきました。
さらに面白いのは、そんなクレイジーキャッツのステージにもルーツがあるということです。僕らが演目で取り入れている「太鼓のバチで床を叩く」という演出は、実はクレイジーキャッツが発明したものではなく、アメリカで1940年代に活躍した「スパイク・ジョーンズ 」というアーティストが初めてやったものなんです。
元々は、アメリカでスパイク・ジョーンズが始めた演出にクレイジーキャッツが影響を受け、そのクレイジーキャッツに寶船が影響を受ける。この影響の連鎖こそが、本質的な「伝統芸能」なんだと僕は考えます。
伝統芸能とは、「感動の連鎖」です。アーティストが影響を受けたものを新しい形でアウトプットし、そのインスピレーションを次世代へと継承していく。エンターテイメントはこういった文脈を通して、多くの人の心の中にアクセスすることが可能になります。
今回の演目の中には、そういった裏話がまだまだあります。例えば「ファンクの帝王」と呼ばれたジェームズ・ブラウンからも、かなりの影響を受けていたりします。こういう解説を一つずつしていくと、キリがなくなってしまうので、あとはぜひ動画をご覧ください。寶船がいかに色んなアーティストから影響を受けているかが分かります。
とにかく今日言いたかったことは、「エンタメは文脈を知ると100倍面白くなる!」ということです。何からも影響を受けていない演目なんて、この世に一つもありません。どんなアーティストでも、影響を受けた作品があります。その文脈を知ることで、歴史へのリスペクトにも繋がっていきますね。
僕らがやっている伝統芸能とは、「古いものを押し付ける」ことが目的ではありません。時代を超越した感動体験を、時代ごとのやり方で継承していくという行為です。これからも様々なジャンルが絡み合うことで、より素敵なエンタメの世界をつくっていきたいです。
(たかし)
※このイベントはコロナ禍以前に行われました。
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