コンテンツへスキップ

寶船 TAKARABUNE

AWAODORI

阿波踊り深掘りコンテンツ

阿波踊りの掛け声は
意味がある?

テーマパーク百貨店、商業施設結婚式などのイベントキャスティングされる
伝統芸能といえば、「阿波踊り」。
その阿波踊りを盛り上げるのが、元気のいい掛け声です。
掛け声の中には、長い歌詞を持つ「囃し言葉」「踊り唄」も多く存在します。
有名な「踊る阿呆にみる阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損々」というフレーズも
この囃し言葉のひとつ。
ここでは、阿波踊りの代表的な掛け声の意味を紹介していきます。

エライヤッチ
エライヤッチャ
ヨイヨイヨイヨイ

阿波踊りの有名な掛け声のひとつです。意味は大きく分けて三つあると言われています。

一つ目は、関西弁の「えらいこっちゃ」と同じように「たいへんだ」という意味。江戸言葉で言うところの「てえへんだ!てえへんだ!」のような使い方です。活気付けや、気合いを入れる意味合いがあります。

二つ目は、関西弁で言うところの「どえらいやっちゃなぁ」のように、「すごいやつだなぁ」という意味。転じて「がんばってるなぁ」という意味で、お互いを認め合い励ます言葉として言います。また、一説によると江戸時代の阿波踊りは過激で反体制の祭りだったので、権力を挑発する意味合いでも使ったのではとも考えられています。「〇〇するなんて、あんたはお偉い身分ですね」という皮肉を込めたニュアンスです。

三つ目は、「世直し」の謳い文句で歌われていたという説です。慶応3年(1867)12月に、「ええじゃないか」の乱舞が徳島県の撫養(むや)に上陸し、翌年(慶応4年/明治元年)にかけて徳島は「ええじゃないか」が大流行します。当時の資料に、阿波では『日本国の世直りはええじゃないか、豊年踊はお目出たい』と歌った記載があります。その際、阿波の民衆は得意の阿波踊りで「ええじゃないか」を踊ったそうです。そして「ええじゃないか、ええじゃないか 」という囃子言葉が、阿波踊りを通して上記二つの意味と混ざり合い「えらやっちゃ、えらやっちゃ」となまって、世直しのコールとして使われていったと考えられています。

上記の三つの使い方は、どれが正しくどれが間違いということではありません。様々なシチュエーションで意味合いが変化し、歌われていたと考えるのが自然でしょう。いずれにしても、江戸時代の阿波踊りは民衆が狂乱状態になり踊り狂う祭りだったので、民衆の力が湧いてくるような言葉だったといえます。この掛け声は、残念ながら現在阿波踊り会場で耳にすることが少なくなってきました。しかし起源を掘り下げると、阿波踊りの精神を象徴する代表的な掛け声といえます。

阿波踊りの掛け声には意味がある

ヤットサー!
ア、ヤットヤット!

「ヤットサー」は、踊りの始まりや途中で度々登場する掛け声です。「ヤットサー」の後には、「ア、ヤットヤット」と掛け声を返すのが習わしとなっています。ちなみに、正確には「ヤットサー」の前に小さな「ア」を入れて「ア、ヤットサー」と発声します。

意味は二つ。一つは名古屋弁を中心に、愛知、三重、岐阜などの方言である「やっとかめ」に由来する説。「久しぶり!」という意味で使います。転じて「元気かい?」や「いらっしゃい!」という意味合いもあるそうです。「やっとかめ」は「八十日目」という言葉に由来し、人の噂も75日というように噂が一周し、さらに5日過ぎて「噂も聞かなくなった」ぐらい会ってない、と言う事から使われてきたそうです。

二つ目は、鹿児島弁の「おやっとさー 」、宮崎弁の「おやっとさま」に通じる「おつかれさま!」という意味合いです。こちらの由来は、「やっとのこと、ごくろうさま」という意味合いが転じたという説があります。

上記2つは、中部地方と九州地方の全く違う起源ですが、阿波の国・徳島は藍の貿易が盛んな港町であったため、全国の文化が混ざり合っていました。そのため様々な方言をルーツにあることも頷けます。

現在の阿波踊りでは、「アヤットサー!アヤットヤット!」は「よっしゃ、いくぞー!オー!」というニュアンスで、威勢よく掛け声を発する時に使われることが多いです。

阿波踊りの掛け声には意味がある

踊る阿呆にみる阿呆
同じ阿呆なら踊らにゃ損々

阿波踊りの精神をもっともよく表している囃子唄です。「踊る人も見ている人も、どうせ阿呆なのだから踊ったほうが得だ