どうも!金髪の異端視、米澤陸です。
僕はステージの上では踊って叫ぶだけの人間に見えると思いますが、化粧を取ったら日々組織運営に葛藤している毎日なんです。実を言うと。
というわけで今日は、普段あまり語ることの少ない寶船の組織運営論について書いていこうと思います。
“自主性”と“共創”の間で揺れ動くジレンマ!
僕たち寶船は今年で結成24周年を迎えました。考えてみればこれまで、寶船というチームを運営していくのは苦労に次ぐ苦労の連続でした。
時には沢山のメンバーが離れていきましたし、大切なメンバーとの対立もありました。
寶船の組織運営の歴史を一言で表すと、“自主性”と“共創”という2つのテーマをいかにして両立させるか、という葛藤の歴史だったと言えるでしょう。このジレンマはより良い組織を作るのに必然の葛藤だったと僕は思います。
“自主性”を重んじる組織にありがちなこと
“自主性”を大切にするということは、言い換えれば「あなたと私は違う」ということを肯定するということです。それは美しいことでもあり、また実に寂しいことでもあります。
寶船の阿波踊りにおいて個人のオリジナリティを磨くのは必須の条件。しかし、その分孤独と戦う道でもあるわけです。
自己の追求は孤独を生み、孤独は時に対立を生み、またそこに人数が加わると派閥が生まれます。自主性を重んじた集団にはこの派閥争いがつきもので、メンバー1人1人に常にジャッジが求められます。
この派閥争いが原因で崩壊してしまうチームは山ほどあります。だからこそ、僕たちはその時々の局面で、どのように組織を回していけばいいかで常に頭を抱えてきました。
Netflixで見たモンティ・パイソンのドキュメンタリーで学んだこと
しかし、この間Netflixでイギリスのコメディ集団『モンティ・パイソン』のドキュメンタリーを見て僕はハッとさせられました。
モンティ・パイソンにはチームの大きな支柱となる2人のカリスマがいました。テリー・ジョーンズとジョン・クリーズです。この2人は作品作りの過程でしばしば対立することもあったそうです。しかし、モンティ・パイソンのメンバーは口々に「それがよかった」と振り返っています。
トップの2人の考えが対立することで、残されたメンバーは「自分の意見はどちらに近いのか」ということを考えなくてはならなくなります。モンティ・パイソンにただついて行くだけのメンバーが1人もいなかった理由は、この強制的に思考させる組織の仕組みにあったのです。
イギリスのコメディ集団『モンティ・パイソン』
僕は今まで、寶船の中でクリエイティブな対立が生じた時、その状況をなるべく丸く収めようとしていた節がありました。しかしこのドキュメンタリーを見て、あぁ僕らのスタンスはそんなに悪いものでもないんだぁ、と気づかされました。
Netflix配信中『モンティ・パイソンのバックステージ』
https://www.netflix.com/title/70213237
一方“共創”を重んじる組織にありがちなこと
今まで語ってきたように、自主性を尊重するスタンスでチームのビジョンを統一するのは至難の技です。なぜなら個々の思惑や考え方はバラバラだから。自主性の尊重とは、ある種そのバラバラすらも肯定するというスタンスでもあるからです。
一方“共創”に重きを置いた組織運営だと、よりチームに一体感が生まれやすくなります。ここで重んじられるのはルールや規律といったものです。ただしここでのリスクは、やり方を間違えると「右向け右」の独裁運営になりかねないということです。
ありがたいことに、最近では寶船に憧れて乗船してくれる新人さんも増えてきました。彼らの多くは寶船の踊りだけじゃなく、ビジョンや考え方に共鳴して入ってきてくれました。
しかし、これは贅沢な悩みかもしれませんが、往々にしてそういった状況が続くと“YESマン組織”にいつしかなってしまう恐れが十分にあります。
本来寶船という集団は、一人一人の個性や人間性を重んじず、「右向け右」の“集団美”を美徳とする近代阿波踊りの空気感にアンチテーゼを掲げる為に作られたグループです。
そんな寶船なのにも関わらず、いつの間にか「右向け右」的組織運営になってしまうとしたら、そんなに皮肉な話はありません。
最終的に寶船が見つけた“物差し”とは?
つまるところ、組織運営に答えなどありません。もしどんなチームにも使える組織運営のノウハウなんてものがあるのだとしたら、僕は全財産を投じてでもそのノウハウを教えてもらいたいくらいです。
しかし残念ながら、そんなノウハウはこの世に存在しません。なぜなら人の個性は十人十色だからです。組織運営は、答えのない自問自答をただひたすら繰り返すしか道はないのです。
寶船のように自主性を重んじつつも、共創で何かをクリエイティブしていくチームを運営していくには、何か1つ指標となる“物差し”が絶対的に必要となります。
今日は特別に、その“物差し”が一体何なのかを発表したいと思います。
寶船結成以来24年間常に葛藤をし続けた結果、僕たちが最終的に最も重宝するようになった物差しとはズバリ『時間軸』です!
寶船を何年続けてきたのか。
自分の理想を実現するのにどのくらいの努力をしてきたのか。
信頼関係とはそういった時間の経過でしか測れないということを長年の経験で悟りました。それが今のところの僕たちの答えです。
寶船のこれから
しかしながら、僕たちの旅は終わったわけではありません。これを書いている今この瞬間も、一方であの人にLineをし、あの人に電話をして、メンバー内でまたさらに話し合いの連続です。常に葛藤の毎日です。
でも、そういうことからしか本当の成功は導き出せないと僕は信じています。
今よりももっと良いチームを目指して、寶船は今日も走り出します。
終わりに
寶船はいつでもメンバーを募集しています。この記事を読んで興味を持っていただいた方は、ぜひ下のページからお問い合わせ下さい。今ならまだ夏の阿波踊り祭りに間に合います。
沢山のご応募お待ちしております!