阿波踊りを本気で世界のエンターテイメントへ昇華したいと考えはじめた2009年、ライブハウスで初めてワンマンライブをやりました。無料の単独公演は実は以前からやっていましたが、チケット料をいただいてお客様を集めようと考えたのです。
HPで「阿波踊り界初のライブハウスでのワンマンライブ!!ロックの殿堂、新宿JAMにて!!」と告知をすると、2ちゃんねるに「寶船はどこに向かってんだよ」と書かれました。学生ばかりの小さい連でしたし、下手くそでしたから当然です。でも当時から、「若者も熱狂できる芸能にしたい」「世界へ出て行きたい」と、そればかり考えていました。
メンバーの過半数は、「チケット料を取ったら誰も来てくれない!」と反対。それを強引に説得し、押し切るように開催しました。100人で満員のところ、180人を越えるお客様を動員。オールスタンディングな上、満員電車のような人口密度だったため、ステージが全く見えなかったとたくさんのクレームがあり、反省しました。笑
その後、東京だけじゃなく大阪でも劇場公演をしようと話すと、またもや反対意見多数。法人化しようというと、またもや無理に決まっていると反対意見が多く寄せられました。
5年以内に世界ツアーをする!と言ってメンバーを集めた時も、その場にいた全員が信じていませんでした。資金ゼロ、人脈ゼロでしたから。「米澤家は現実を見てない」「無謀なことばかり言い出してメンバーの気持ちを考えていない」…そう言われました。
正直、連長を含め私たちは嫌われていたと思います。強引でしたし、戦略も甘く、よくメンバーと喧嘩もしました。今思えば、当時の自分の未熟さがメンバーに迷惑かけたなと感じています。その点は、本当に申し訳なかったです。
しかし、未熟ではありましたがブレることはありませんでした。連長は、ラスベガスやブロードウェイで勝負するつもりでやれ!といつも私を叱りました。
あれから月日が流れ、私も30歳。今無謀なことを怯まずに信じた結果、間違いなく夢が現実になってきています。たくさんのご批判もいただきましたが、その何倍も素晴らしい人々と出会い、多くの方が応援してくださるようになりました。本当に感謝しています。
定規で真っ直ぐな線をきれいに引く場合、二つの点が必要です。点と点の距離が近いと線はブレやすい。距離が離れていれば、定規は安定します。
この定理は、自分の人生にも置き換えることができます。どの方向に直線を描きたいのか、今と未来の点を明確にする。まずこれが重要です。
人は未来を恐れると、点を近場に設定する傾向があります。見える範囲内であれば不安が軽減するからです。しかし、これは逆効果。今日明日に未来を設定すると、日々のことで追われ、周りがうらやましく見えてきます。未来なんか誰もわからない。未知だから楽しいのです。
子どもの頃夢中だったことを思い出すと、「憧れへのワクワク」が原動力だったように思います。なぜ宿題にワクワクしなかったのか。それは宿題の目的が「提出すること」だったから。もっと遠くに点を設定すれば、宇宙もヒーローも昆虫も、恐竜も秘密基地もドラクエもミニ四駆もサッカーも、全部ワクワクできるのです。
今の点、未知なる遠くの点。二つを明確に持ち、夢中になること。夢中は努力に勝る。考えても無駄なことは考えない。ためらわない、怯まない。
30代になった私は、さらに挑戦し無謀なことを楽しむ所存です。人生は個人プレーでは成り立ちません。この記事を読んでくださっている皆さんと、一緒に成長していきたいと思っています。
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Follow @Takarabune_info米澤 渉
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