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英語ができないから成功した!?パフォーマーが世界展開する際の「言語問題」について

2018/11/28

一般的に、「海外で活躍するには英語が必須だ」という常識が世の中にあります。それはもちろん間違いではありません。でも私は、最初に海外に出て行くときに「英語ができなくて本当によかった」と思っています。

それはなぜか。

今日は私の海外進出での、言語問題についての考えをまとめてみます。

勝因は、『全員何もわからなかったから』!?

寶船は、法人化した2012年に、『5年以内に世界ツアーを実現する』という無謀なビジョンを掲げました。

資金もない。コネや人脈もない。英語も誰も喋れない。企画書や提案書の作り方も知らず、ビジネスマナーすらよくわからない状態でした。

結果、世界ツアーは、2年後の2014年に実現。想定よりも、3年も早く叶いました。

当時の勝因を今分析すると、『全員何もわからなかったから』だと思います。誰かが英語ができたり、社会経験が豊富にあったら、私たちの活動は実現できてなかったと思うのです。

なぜなら、言語ができるともっと早く海外の仕組みがわかり、早々に”見切り”をつけてしまいそうだったから。やる前から、無理だということが簡単にわかってしまうからです。

海外では、英語ができる方がいいのか

「英語は話せた方がいいですよね…?」

最近、寶船と同じように海外展開を考えているパフォーマーやアーティストから、よくこんな質問をいただきます。

私の答えは、
どっちでもいい。でも、今その質問をしてるのなら、英語なんてできない方がいい
です。

英語ができないと世界に出れないと思っている人は、そもそも「気持ちが弱気」である場合がほとんど。

言語を習得すると度胸がつくと思ってる人も多いですが、違います。むしろ、明快に人の話がわかる分、相手への気遣いが生まれ、またブレーキになります。

その証拠に、言葉の問題ならば、日本語がわかる日本では威風堂々と成功できるはず。でも、そう簡単ではありません。

ニューヨークでの学び。勢いと無知を武器に戦え

わかりやすい例を挙げてみます。

数年前にこんなことがありました。
ニューヨークでのこと。夜にバーなどが並ぶ賑やかな街でゲリラパフォーマンスをしようと思い付き、メンバーに意見を聞いてみました。

英語のできないメンバーは、「警察に怒られたら謝ればいいから、やっちゃおう!」と意見が一致しました。「せっかくだからやったもん勝ち!」という心情でした。

しかし、英語がネイティブだったメンバーが唯一、こんなことを言い出しました。
「このエリアはパフォーマンス禁止みたいです。周りもバーなどのお店だし、クレームがきたら大変!酔っ払いも多い。やめた方がいいです。今ネットで調べてみたけど、最悪の場合逮捕される可能性もあるし、、(この後もいくつもできない理由が続きました)」

実際、それは社会的に正しい意見でした。

でも、寶船にとっては、「迷ったらやってみる」が正解で、「なぜできないか」は探せば無限にあるに決まってる。他のメンバーはそう思っていました。

結局、ゲリラパフォーマンスは強行突破。
すると、通行人や周りのバーから人が出てきて、「もっとやってくれ!」「うちのバーの中でも踊ってくれよ!」「最高だよ!」と拍手喝采を浴びました。持っていた袋いっぱいにチップが集まり、大成功でした。

反対していたメンバーも嘘のように喜び、「やってよかった!私は、どうなるか心配だっただけなんです」と、笑顔で言っていました。

寶船の海外公演では、こんなことが、毎日のように起こります。

言語ができると、情報が入りすぎて、ノイズになることもある。ブレーキになることもある。この数年で、実感したことです。

逆に考えれば寶船でさえも、許可もなしに渋谷のセンター街で、思いっきり太鼓を鳴らしてパフォーマンスをやろう!とはなりません。「それはさすがに怒られる」というブレーキがかかる。それは、言語ができることで、その土地のルールやマナーを理解しすぎてしまい、リスクがとれなくなるためです。

もちろん、言葉ができた上で、行動を起こすタフな精神力があるのが理想です。でもほとんどそうはならない。特に、私は超小心者なので、言葉がわかったら基本的に「やめよう」という側の人間なのです。

わからないから、旅の恥はかき捨ての精神で、「どうなっても知るか!」とフルスイングできた。それが結果的に寶船の成長につながっています。

冒頭の「英語話せた方がいいですよね…?」と気にしてる人は、その時点で弱気なので、言語が習得できても次の不安材料が目についてしまいます。

だったら、寶船のようにとにかく言葉のわからないところに行って、その場の勢いと無知を武器に戦うのが正攻法だと思うのです。

革命の四原則とは!?

毛沢東の『革命の三原則』をご存知でしょうか。

  1. 若いこと
  2. 貧しいこと
  3. 無名であること

つまり、挑戦できる若さとエネルギーに溢れ、挑む理由を持ち、失うものはなく、無駄なプライドを持たない無名な若者が革命を実現できる。

寶船はまさにそうでした。
(革命というほど、崇高な結果は出していないですが…)

また、出版業界の革命児と名高い幻冬舎の見城徹社長は、この三原則に

4. 無知であること

を加え、「革命の四原則」と呼んでいるそうです。

『無知であること』。
この価値が、今痛いほどわかります。無知だから行動できる。無知だから常識にしばられることがない。無知だから、リスクを取れる。私たちも、振り返ると本当にそうだったと思います。

もちろん、クライアントとの交渉など、英語ができた方がいい状況も多いです。海外展開をする上で、「英語ができれば良かった」と思うことも数えきれないほどあります。

しかし、google翻訳の精度も上がり、翻訳機のツールも増え、年々そのボトルネックは解消されつつあります。

そして、「言語が長けている仲間や友人に素直に頼む」ということも、全然いいのです。自分ができないことがあるから、人を巻き込みチームができる。人に頼って実行していくことは、大切なあなたの能力の一つです。私たちは困ったとき、頼ることができる心強いメンバーがいます(いつもありがとう!)。

そんな意味で、「ツールを使う」「人に頼る」なども、立派な解決策です。

大切なのは、英語ができる人は世の中にたくさんいるけれど、行動し人々が無謀だと思う未来を実現する人は一握りしかいないということ。それほど、不安があると人々は行動をしません。

だから、たとえあなたが英語ができなくても、あなたが実行者になるべきなのです。行動することは、言葉の習得より大きな価値があります。言語は、実践によって学ぶのでも遅くはありません。

最後に

私たち寶船は、今21ヶ国ほど、都市にすると世界38都市にまで活動を展開しています。

私たちはようやくこのフェーズになって、より人と深くつながるために、本当に「言語が必要なとき」がきた!という感じです。頑張ります!!

今回は、言語に関してうだうだ言ってるなら、無知なフルスイングをしろ!という話でした。

 

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米澤 渉
1985年、東京都生まれ。一般社団法人アプチーズ・エンタープライズ プロデューサー。寶船プロメンバー「BONVO」リーダー。山形県米沢市おしょうしな観光大使。日本PRのCM『日本の若さが世界を変える』に出演。「my Japan Award 2014」 にて《箭内道彦賞》を受賞。

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