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組織の「理念」をどう捉えるか。丸暗記ではなく、生身の言葉を探せ。

2018/10/17

兵士型の人材が被る『従順さの皮』

経営する立場、つまりマネージメントする側は、ビジョンやミッションと向き合い、事業への確信を固めていきます。抽象度の高い人類のテーマから、サービスとプロダクトにおける細部まで、呪われたように考えるのが仕事です。

そして、ようやくひねり出した事業への向き合い方や理念を、組織に浸透させるべく全力になるのです。

しかし組織にいる者は、どうでしょうか。

その理念を、「評価」と「事業の効率」のために機能しているとしか思っていない場合が多いです。例えば、ビジョンを丸暗記するような場合です。これでは「兵士」しか育っていきません。

兵士型のメンバーが組織内に増えると、給与や働き甲斐、自由な時間が取れるなどの従業員的リターンを求めて、『従順さの皮』を被り出します。

これが厄介。
一見、素直で反抗的な雰囲気もない調和のとれた人物に見えるからです。

しかし、従順さの皮を被った兵士は、「これからつくる世界を見る」のではなく、「組織が目指す未来と精神を、そのままインストールする」ことだけに集中します。それが優等生だからです。

寶船の場合、これを良しとしません。

理念は、賢者が書き留めたポエムじゃない

確かに、事業を進める上で、反発せず言った通りの作業をこなしてくれる人は助かります。私もありがたいと思ってます。

でもその人材は、人工知能などの進化で淘汰されていくでしょう。特に、私たちのようなエンタメやアートの世界では、余計にそのスタンスは危険です。

仮に、短期的に見て数字が上がり、組織が拡大できても、やっぱり自分は違和感があります。

真面目な優等生は負債。荒波に揉まれながらも、世の中と未来にフォーカスを当ててほしい。
つまり、ビジョンやミッションは、それぞれの頭で考え、仲間と議論した結果、納得した形で血肉化してほしいのです。

それには、自問自答の痛みが伴うでしょう。存在意義を根本から考え直す必要があるかもしれません。でも、ビジョンやミッションを評価基準として暗記するのは、単に賢者が書き留めたポエムを覚えるようで、”臭く”なり鳥肌が立ちます。

結局、言葉に体重が乗った説得力がなければ、ただのポエムにすぎないのです。

私は20代にずっとミュージシャンをやっていたので、『いい歌詞は、歌い手の説得力があって成り立つ』ということが身に染みています。詩も理念も、体現した人間の説得力が大切なのです。

だから、自らの頭で仮説と検証を繰り返し、肉体と精神に伴った生身の言葉を探してほしいです。

メンバーにはよく言っているけど、寶船はチープな言葉でおだてられたり、持ち上げられたりするのを嫌います。特に私は。独自の視点で語れないなら、自分の意見ですらないかもと思います。

「楽しい!」と思ってたら、「誰かが楽しませてくれただけだった」ということもよくあります。

「寶船が大好きです!」という言葉も、ファンの方であれば嬉しいけれど、仲間としては「……で?」となります。

仲間とファンは別物。仲間と兵士も別物。自分たちは、仲間がほしいのです。一緒に時間を忘れ、自問自答を繰り返し、走り続ける仲間がほしいのです。

高望みとはわかっていますが、それが寶船の生存競争に勝つ掟です。

 

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米澤 渉
1985年、東京都生まれ。一般社団法人アプチーズ・エンタープライズ プロデューサー。寶船プロメンバー「BONVO」リーダー。山形県米沢市おしょうしな観光大使。日本PRのCM『日本の若さが世界を変える』に出演。「my Japan Award 2014」 にて《箭内道彦賞》を受賞。

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